ずっと大切に見守ってた。大事な大事なものだから。世界を守る為だとか、使命だからとかではない。
 あのこが生まれたとき、自分が守らなくてはと、自然と思った。
 小さい手が、懸命に自分の方に伸ばされる。人差し指を差し出すと、キュッと柔らかく小さな手を使って、離すまいというようにつかむ。
 それだけで自分が必要とされてるみたいで、嬉しかった

 真実をお前に教えるのは、ホントは嫌だったんだ。辛いことが少なく、嬉しいことがたくさんある人生をおくって欲しかった。
 ちゃんと分かってるんだ。そんなこと絶対に出来ないって。それでも願わずにはいられない。

 だから俺は…



  Novel