×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



 今日、お医者様から私の病気が良くなっているいう検査結果をいただきました。更に、一時帰宅をしてみたらどうかというお医者様の提案もいただきました。一緒に聞いておりましたお母様は大変喜んでいまして、今一時帰宅の手続きをしにお母様は席をはずしています。
 久しぶりに帰ることのできる我が家に想いを馳せ、私はいつものように窓から見える空を見上げていました。
 すると突然あの方が窓の向こうに現れ、コンコンと窓を叩いて開けるようにという意思を伝えてきます。彼の意志通りに近づいて窓を開けると彼はふわりと部屋に降り立ちました。
 初めの頃は突然現れるこの方にずいぶん驚かされましたが、最近ではだいぶ慣れてきました。もう悲鳴を上げることなんてありません。
「よう、今日はずいぶん嬉しそうだな」
 最近はいらっしゃらなかったため久しぶりにお会いしたのですが、相変わらずこの方は時間が経っていることを気にしていない風に挨拶をなさいます。
 そんな彼に対してもう呆れることはありません。
 もうこの姿勢は「彼だから」ということで私のなかで納得しているのです。そう、納得できるほどの時間をこの人と過ごしたのです。
「お分かりになりますか?」
「ああ、前の考えていることはたいてい顔に出ているからな」
 ほら、彼も私のことを少なからず理解してくれているのでしょう。私の変化をしっかり分かっていらっしゃいます。
 まあ、私は己の感情が表情に出やすいだけなのかもしれませんが。
「実はお医者様から一時帰宅のお許しを頂いたので数日ですが久しぶりに家族全員で過ごすことができるんです」
 嬉しくて嬉しくてたぶん顔がとてもふにゃふにゃになっていたのでしょう。彼が呆れたように苦笑して私を見下ろしておりました。
「それはよかったな。でも外はここより魔が多くいるから気をつけるんだぞ」
 そうなのです。私の病気は魔というものが影響して悪化しているのだということが彼によって発覚したのです。
 その魔というものがどのようなものなのか私には分かりませんが私の体には悪いもので、近く無い方が良いということは分かります。
「気をつけろ、と言われましても…私にはその魔というものがどのようなものなのか全く見当もつかないので注意のしようが」
 そこで一旦言葉を切り困った私は彼を見上げます。

09/12/20

  /  Novel