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忘れた頃に見る夢
緋色の衣をまとった少女が花びらと共にひらひらと舞っている
それに魅せられ目を外せない
久しぶりにその夢を見た所は次の瞬間の生死さえ分からない戦場だった
もしかしたらあれはこれからおこることの前触れだったのだろう
倒しても倒しても湧き出る敵
大勢いた味方もいつの間にか動かぬものと化していた
ついに自分もその仲間入りをする直前にまで追い詰められた時
この世のものとは思えない美しい人が目の前に現れた
特に自分の人生に未練はなかった
暗闇が近づいた時自然と受け入れようとした
だが、あの少女がこの世にいると知った時
無性にこのまま死んでいくのが悔しくなった
だから契約した
此処で終わってなるものかと

俺はこの時新たな人生を走り出した


09/09/12
「ぶっ!!」
「ひぎゃー!!」
 ハードカバーの本の角か男性の頭に直撃した。あまりのことに、思わず口から変な叫び声が出てしまったじゃないか。まったく。
「セクハラだぞ博都」
 男性の後頭部にハードカバーの本の角を直撃させた人は爽やかな笑顔を振り撒く。
 先ほどの一撃で博都と呼ばれた男性から逃げ出すことが出来た。そのきっかけを作ってくれたのは爽やかさんだが、目の前で頭をかかえてうずくまっている彼を見ると、どうも素直にお礼を言う気になれない。不憫である。
 どうしょうか悩んでいたら爽やかさんが話しかけてきた。
「キミ、このアホが失礼をしてしまって申し訳ない」
 爽やかさんは見たらほとんどの女の子がときめいてしまうのでは?と思うほどの笑顔を振り撒いた。
「び、びっくりしましたけど、大丈夫です。気にしないで下さい」
 後退り、爽やかさんから少し距離をとる。この人の顔を間近で見たら、非常に心臓に悪い。だが、その行動を見た爽やかさんは、違うふうにその行動の意味を解釈したようだ。
「ああ、大丈夫だよ。僕はアイツみたいにキミに失礼なことはしないから。安心して」
「いえ!そういうわけではなくて…その、気分を害されたならすみません」
 ホントのことは言えないから最後は濁したが、相手は気にしてないようだ。内心ホッと安堵する。
「お前はまず俺に謝れ」
 爽やかさんとの会話で忘れていた人の声が聞こえてきた。びっくりして更に後ろへ退く。
「お前が急に声をかけるから彼女をまた驚かせてしまっじやないか」
 また自分の行動で、男性が責められてしまった。心苦しさを感じていると、彼が私に対して酷く焦って謝ってきた。
「え!?ごめんな!」
 あまりにも彼が傷ついた顔をしたものだから私は彼に対してとても申し訳なくなった。
「あ、あの大丈夫ですから。なんてことありません」
 笑顔を顔に浮かべて言うと彼は自分の胸に手を当てて大きく息を吐いた。
「あー良かった。君に嫌われたら立ち直れないよ」
 その言葉を聞いた私の頭に疑問が浮かぶ。
「あ、あの」
 しかし小さかったその言葉は誰にも届かず次の言葉に遮られた。
「俺、天城博都っていうんだ。よろしくね」
 笑顔で差し出された手を反射的に少しひきつった笑顔を顔に張り付けて握り返すと、更に周りがぱぁっと明るくなるような笑顔が目に入ってきた。この人たちは本当に心臓に悪い。
「私は土宮梓です」
「梓…いい名前だね」
 彼がそれまでの子犬のような雰囲気を取り払い、愛しい人を見るような穏やかな瞳で私を見つめた。
 そんな彼にひどく懐かしいものを感じた。私にはこんな風に私を見る人が傍に居てくれたはずなのに…そのまま自分の中に沈もうとした私を新たに来た人によって引き戻された。
「おっはよーってうわ!何でこの子がここにいるの!?」
 元気良く入って来た人の方を見ると、そこには同じクラスのプリンス広木由一が立っていた。
「ゆいち、お前梓ちゃん知ってるの?」
 天城さんが広木君に疑問を投げ掛ける。先に何故私がここにいるのかを彼に教えてあげた方が良いと思うのだけれど。現に彼は混乱して上手く頭が働いてないような顔をしている。
「土宮さんとは同じクラスだから名前と顔だけは。てか、ここ部外者は立ち入り禁止じゃなかったっけ?」
 彼の言葉に私は血の気が引いた。もし自分がこの部屋に居ることが教師に知られたら…急いでここから立ち去らなければという焦燥に駆られた。


(携帯にあった大分古い話。たぶん続かない。)

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