一番古いと思われる思い出は透明な水の中でたゆたう私
時折多くの人が私の前に来て何かをいじり そしてどこかへ去っていく
その人たちのは“私の家族”―


“家族”の中のは私と同類の(おなじ)子がたくさんいる
でも私のように水の中で生活していた事を覚えている子はいない


覚えていたら不都合があるから


だから大人たちは細心の注意をはらっている
だって大切な器になりうる子供たちだもの


ある時私の住んでいた“家”と他の“家”が一緒になって
他の同類の子と一緒に暮らすことになった


そのとき彼女に出会った


いつも母様が読んでくれる絵本の女神様とそっくりなこ
彼女は大人たちに最も器の可能性があると言われてた

私と彼女は数少ない同年代であり
ひょんなことから仲良くなった
お互いに友達と思い合い 日々力を競い合った



でもあの日



私の中のあるものが目覚めたあの日から
私たちの歪みは始まった



そう それが 始まり



  Novel