「ねえ、この旅が終わったら、君はどうするの」
「行き成りだな」
「どうするの?」
「どうするも何も、これまで通り」
「そう」
「あんたはどうして俺にこんな事きいてきたんだ」
「気になる?」
「ならなかったら聞かない」
「到着した後、君がどうするのか気になったの。それだけ」
「ふうん。で、あんたは目的地に着いた後どうするんだ」
「君、この旅の目的ちゃんと分ってる?」
「分ってるさ。それでも」
「君が言いたいこと、ちゃんと分ってるよ。でも、これは自分で決めたことだから。護衛の1人に君が居てくれただけで十分。でも、君には辛いかな。ごめんね」
「謝るなよ。俺もあんたに会えた、それだけで十分だ」
「ありがとう」
あんたが笑顔で言っていたのは覚えてるのに。
肝心なあんたの顔がぼやけて思い出せないんだ。
今。
あんたはあそこで、何を思い、何を願っているんだ?
今。
俺は再び歩いている。
あんたの居る場所へ。
あの時と同じ目的を持って。
俺は再び歩いてるんだ。
← Novel
|